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スタッフ
2005-11-20

旅する人

代官山に向かう電車の中での1コマ。
私の斜め前に立っていた二人の男の人。
カバンに付いた、民族調のキーホルダーやすこしくたびれた
バックから、アジアをいろいろ旅してたんだろうことを匂わせている。
どこか独特な雰囲気をただよわせるところからも、きっとわりと長旅の末帰国してきた人なんだろう。
日本から遠いくにの思い出をいっぱい、カバンにつめて。
1人がある駅で下車するもよう。
電車に残り見送るもう一人が清々しい笑顔で言う。
「いつかまたどこかで」
そして、インド式の挨拶(両の手のひらを合わせて拝む)を相手に送る。
向こうも同じく両手をあわせ、インド式で相手に返す。
その光景は、日曜日のけだるい電車の中でくっきり私の頭に焼きついた。
旅先で出会った彼らは、日本では同じように会えないのかもしれない。
「いつかまたどこかで」というゆるい約束は果たされるか、分からない。
その淡い希望に満ちた旅人同士の約束が、「いつか果たされて欲しいな」と
私はぼうっと、そんな風に思う。
彼らのみてきた旅先の映像が、一瞬自分にも流れ込んできたような気さえしたから。
人はなんで旅に出るんだろう?
それはずっと私が問いとして持っていることの一つ。
いつか自分が旅に出て実感として分かるのかもしれないし、分からないのかもしれない。
電車で偶然乗り合わせた旅人の背中を眺めながら、遠く一人旅を続けている
男友達を想った。
そして、いつかたぶん旅に出る自分自身を想った。