続・くるまで待ってろ!
ヨットから降りた僕に父がかけた言葉「来るまで待ってろ」。
しかし待てど暮らせど、父は来ません。
車が止めてあったところに行くと、なんと車がありません。。。
しばらく呆然としていると、やがて日が暮れてきました。
人もまばらになり、だんだん不安になってきます。
「たぶん置いていかれちゃったんだ」
そう気がついたのは、だいぶ経った後でした。
それにしても、荷物はもちろん、電話をする小銭すら持っていません。
(だって僕は海水パンツにTシャツ姿ですから)
自宅は茅ヶ崎。江ノ島からはとても歩いて帰れません。
一番近いのはヨットを保有している藤沢の叔父さんの家。
おそらく江ノ島から7-8kmくらいでしょうか?
子供の足でも歩けない事無い距離ですが、そのあたりの土地勘が
無いばかりか、僕は誰にも負けないくらいの超方向音痴。
どちらの方向に歩けばいいのかすら分かりません。
ともかく海の方向には歩けません。
それから、行くべき方向が海沿いではない事も、なんとなく分かりました。
そして残る一方向の海と逆方向に歩き出し、大きな通りをまっすぐ、
とにかくまっすぐ歩きました。
いくつか大きな十字路に当たりましたが、とにかく迷わずまっすぐ。。。
しばらくすると、見た事のあるスーパーの看板。
とうとう親戚の叔父さんの家まで歩いて行くことが出来ました。
叔父さんの家から自宅に電話をすると、父がカンカン。
父:「オレは言っただろ、くるまで待ってろって!(怒)」
僕:「だからくるまで待ってたよ!」
父:「くるまにいなかったじゃないか!」
僕: く、くるまに…?!
ハイ、勘の良い人はもうお分かりですね。
酔うと訛りが出る父の「車で待ってろ」を、僕は「来るまで待ってろ」と
勘違いしてしまったのでした。
夏になると、毎年この事を思い出し、可笑しくなります。
ホント、とんだ勘違いでした。。。
それにしても帰りの電車の中で、海パン姿は恥ずかしかったなー。