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ボス
2015-09-16

ROUROUデニム物語

ROUROUオリジナルデニムパーツです。

 

新作のデニムが日記に紹介されていますね。
ジャカードデニムの生地も、もちろんオリジナルなんですが、デニムパーツもオリジナルなんです。
実はこれ、ベトナム製です。

お店をオープンさせる時の僕の夢がオリジナルジーンズとオリジナルスニーカーを作る事。

スニーカーはコンバースタイプのものだったんですが、売るのにとても苦労しました。(≧_≦;)

開業したての店に360足は多すぎました。

知らないっていうのは怖いですね。
去年だったか一昨年だったかに、残りのスニーカーをセールで売り切るまでに結局10年以上もかかってしまいました(涙)


話をデニムパーツにもどします。
デニムは岡山で織り、縫製は愛媛、加工は広島で全ての生産が国内なのに、なんでデニムパーツがベトナム製なんでしょうか?

これには理由があります。

「オリジナルジーンズを作りたい」と思ったものの、アパレルの右も左も知らずに事業を始めた僕たちは、デニムをどこで仕入れるのか、どこで縫ってもらったらいいのかさえ、わかりませんでした。

そこで、当時ほとんどの製品を縫ってもらっていたベトナムの工場に、ビンテージモノのチェーンステッチミシンやらカンヌキのミシンやらを買い与えて、縫ってもらうことにしました。(これらのビンテージミシン、ほんといいミシンでした)
蓮の花の刺繍がポケットに入ったものです。たくさん作ったので、今でも持ってらっしゃる方いらっしゃるんじゃないでしょうか?



もちろんパーツをどこで作ったら良いのかもわかりません。
ある日、ベトナムの校外にデニムを仕入れに行った市場の片隅に、パーツを専門に取り扱っている小さなお店をみつけました。
リーヴァイスやLEEなどのパーツも堂々と売ってます。
もちろん偽物です。いまでは怒られるでしょうね、きっと。
中にはナイキやアディダス、HONDAのデザインのボタンも。(笑)
(あれ?HONDAってジーンズ作ってたっけ?)

そこで勘が働き、パーツ屋のおばちゃんにオリジナルデザインのパーツができないか聞いてみる事に。
だって、ニセモノが上手にできるなら、ホンモノだって出来るはずですから。

「もちろん出来るよ。でもロットは全て最低1万5000個から。全額前金ね!」

躊躇しました。たぶん今だったら、そのままお礼を言って通り過ぎていたでしょう。
だって、1万5000個を使い切るには、あたりまえですが、1万5000本のデニムを作って売らないといけない訳です。
「1店舗しかなくて、まだ開店したての店が1万5000本のデニムを売りさばくのはさすがに無理でしょ?
数十店舗のチェーンを持つ大手アパレルメーカーのブランドだって売るのに数年はかかるに違いない。ウチでは無理!」
…ってなるのが普通です。

でも当時の僕は無知そのもの。
手持ちのお金をデポジットとして払い、あとは現物を見てから残りの金額を払うと交渉し、作る事にしてしまいました。
あとから出来上がってきた、大量の金属パーツの山を見て驚愕しました。

でも何とこれ、今ではこれまで数回リピート生産しています。
まさか使い切るとも思っていませんでしたが、リピートするとも思ってませんでした。


今では、国内でもう少し小ロットで作ってくれるパーツ屋さんを見つけましたが、なんだか思い入れがあって、このパーツを使い続けています。

皆さんお手持ちのデニムのパーツをもう一度よく見てみて見てください。

他のブランドでも、フロントボタンだけでなく、リベットや裏リベットまでオリジナルというのは、よほど大手のメーカーじゃなければないはずです。

もし、それが無名で小さなレーベルにもかかわらずオリジナルだったとしたら、それを作った人はよほどのバカです(笑)