一年越しのニット
最近、僕もROUROUの物作りを手伝っています。
今回の秋冬のものも少しお手伝いさせていただいていますので、ニットを中心に少しだけ紹介させていただいます。
プルオーバーは大きめなサイズで作ったので、僕もストールを巻きつつ着用してみました。
あれ、結構いいじゃん。
もう糸を手配し、すでに工場で生産を始めちゃったので
僕が買えるかどうかわかりませんが!?もし数が余ったら僕も両方買うことにします。
今回久しぶりのジャカードニットです。
柄物のニットってオリジナルで編むと結構ロットが多いんですよ。
ですが、これまで小ロットでも対応してもらえる国内の小さな工場を探して編んでもらっていました。
例えば、これなんか、八王子の産地の工場で編んでもらったものです。
覚えていらっしゃる方、持ってる方方いらっしゃいますか?
このとき初めて「インターシャ」っていう編み方の技法を聞きました。
これらは福島で編んでもらったものです。
これは群馬の桐生。
手横の編み機で編んだものですね。
昭和の機械なんだそうです。
サンプルは見当たらなかったのですが、しばらく新潟でも編んでもらっていたこともあります。
新潟県にあるその産地は、ある年に2回の台風があって大きな被害を受けました。
その時に水害で水に浸かってしまった多くの機械がダメになってしまったそうです。
その復興活動中に今度は中越地震が起きて、多くの工場が廃業に追い込まれてしまいました。
新潟以外の産地も、職人さんの高齢化、後継者の問題、また不景気の影響で
どんどん廃業するところが多くなっちゃったんです(涙)
ニット業界に限らず、ここ10年くらいは繊維業界全体が川上から川下まで
そんな感じだったんですけど、コロナ禍でさらにそのスピードが早まったような気がします。
そんなこともあり、なかなかニットをお願いできるところが暫くなかったんですが、
なんとか小ロットでもお願いできることろを最近見つけて、今回作ってみた訳なんです。
初めてお付き合いする工場ですので、サンプルを何度か作り直しやりとりを重ね、
一年かかって実現した商品です。
まずこちらの蓮唐草ジャカードニットストール。
ざっくり編まれています。ふわっとしてるので、暖かくしかも軽いです。
柄も大柄なので、ぐるぐる巻いていると何の柄かわからないのですが、広げると実は蓮唐草!ってところが気に入ってます。
形を三角にしたことで、いろんなアレンジを楽しめると思います。
ストールは『袋ジャカード』と呼ばれる技法で編まれています。
袋状に編み立てながら一方の糸で表を編んでいる時に、裏側で別の糸で同時に編んで行きます。
オモテ側とウラ側が全く逆になり、両方の面で利用できます。
ストールだと表側になる部分と裏側になる部分、両方が表情として出るので、
まさに一粒で2度美味しいストールです。
この形になるまでの間に、いろんな形、素材、密度を検討しました。
下のはボツになったストール。高密度で柄もハッキリと出ます。
長方形にすることで、より広い面積を保温できるかなと思いました。
また、編み機の機械で編んだ時にこのサイズだと、効率よく編むことができます。
三角だと着用するときは良くても編む際にどうやら効率が悪いみたいなんですよね。
長方形で届いたサンプルを見てみるとちょっと難しいなーと思ってボツにしました。
重いし、巻くと分厚くなっちゃうし。。。
でも、ブランケットみたいに使う分には良いのかもしれませんね。
で、最終的に三角の形になったわけです。
柄が大柄なのも良いですよね。
プルオーバーは「ダブルジャカード」という技法で編まれています。
裏糸を一目おきに編むので、色糸が鹿子状に表れます。
お買い上げいただいたらぜひ裏返して見てください。
この技法だと表側に出る部分に細かい柄が表現できるんですよね。
でも専用の機械を持っている会社じゃないと網み立てができません。
柄をコンピューターでドット状にして表現して行きます。
ビスコース(レーヨン)メインで肌触りがよく暖かいし、ポリエステルやナイロンが入っているので型崩れしにくいです。
ってことで、僕は両方購入するつもりです。(売り切れなければ)
そういや、セーター買うの久しぶりだな。。。
(↓おまけ)