
中華街とちまきとドラゴンボートのお話。
先週のインスタライブでもちょっとお話ししましたが、現在端午節期間中。
端午節はアジアの三大節句の一つで、日本でいうところの子供の日にあたるんですが、これがまた興味深い文化の交差点なんで、今日はそのお話をしたいと思います。
端午節といえば、まず思い浮かぶのが屈原(くつげん)のエピソード。教科書にも載っていたので覚えている方もいるかもしれませんね。
この人、紀元前3世紀の中国の詩人で市民にとても慕われていた立派な政治家だったんですが、政治に絶望して川に身を投げちゃったんです。
5月31日は屈原の命日で、それが端午節になっているんです。
川に身を投げた屈原を見て、村人たちが「屈原さんが魚に食べられちゃう!」って慌てて、魚が屈原を食べないように船(ドラゴンボート)から川にちまきを投げ込んだのが始まりだとか。つまり、ちまきは屈原さんの身代わり!魚への賄賂みたいなもんですね(笑)。
香港をはじめとして中国各地で、この時期になるとドラゴンボートレースが開催されます。
あの龍の頭がついた細長い舟で、みんなで太鼓に合わせて「ドンドンドン!」ってやつです。
横浜でも山下公園で年に一度開催されていますが、現役&OBのボート部の方達に混じり、地域の人たちも参加していてかなり盛り上がります。
面白いのが、日本の端午の節句(子供の日)も同じ5月5日なんですよね。
屈原のような立派な人間になってもらいたいという、中国の風習が伝わって、日本では鎧や兜を飾るようになったと言われています。
でも旧暦と新暦の違いで、中華系の端午節は毎年日付が変わります。
日本の鯉のぼりも、実は中国の「鯉が滝を登って龍になる」っていう登竜門の故事から来てるんです。
川に浮かぶドラゴンボートと通じるものがありますよね。
男の子の立身出世を願う気持ちは、日中共通なんですね〜。
中華街はちまき天国!!
中華街で仕事してると、この時期になるとどこかしらからちまきをもらいます。
今年も知人からいただきました!!
普段はちまきを作ってないお店でも、端午節の時期だけは特別に作ったりするんです。
近所のおばちゃんや仲良しのレストランの方にもらったりして、店によって味が違うのでこれまた楽しめます。
ということで今日のランチも、もちろんちまき!
< br>
春節の時期には大根もち、中秋節には月餅をよくもらうんですが、中華街は完全に旧暦で動いてるんですよね。
人情溢れる下町で、本当に良い街です。季節の行事を大切にする文化が根付いてて、僕も自然とその流れに身を任せてます。
ちまきって、竹の皮や笹の葉でもち米を包んで蒸すじゃないですか。外側は自然の葉っぱで、中身はしっかりとした具材。
自然な素材を大切にして、個性ある具材を作り込む。
見た目は素朴だけど、開けてみると「おお〜!」っていう驚きがある。ちまきも、竹の皮を開ける瞬間のワクワク感、ありますよね?
もち米だというのも、なんだかお祝い気分にさせてくれます。
ROUROUの服もまるでちまきのように、着る人を優しく包み込み、まきの想いや職人さんの技術を詰め込み、
ちょっとだけ特別な気分なってもられたらいいなと思って作ってます。
皆さんも中華街でお気に入りのちまきを見つけて見てくださーい。