殉情物語
今行ってみたい場所の一つに、中国の雲南省があります。
もちろん雲南省の民族衣装や、古くから伝わる刺繍の技法だとか、
そんな事にすごく興味がありますが、もう一つはそこに生活する人々に
すごく惹かれています。
何故惹かれているのかというと、それはある本を読んでから、
「殉情物語」を読んでからです。
この本は、LotusRoomのロゴ(楚々)をデザインしてくれた
「王超鷹」(おう ちょうよう)さんが原案と画を担当し、ROUROUも
加わらせてもらっている「字坊」のメンバーとで出版された本です。
LRのロゴである「雅体」の存在は知らなくても、雲南省に伝わるトンパ文字は
結構知っていらっしゃる方も多いと思います。私もその一人で、
トンパ文字で綴られていた物語ってどんなお話?ちょっと可愛い
感じもする象形文字というよりは、まるで絵画の様なトンパ文字で、
一体どんな事が書かれていたんだろう。。。
と、何気なくその本を読み出しました。
そうしたら何となく想像はしていたものの、もう悲しくて切なくて、
主人公の女の子が、恋人を想う純真な気持ちで、みぞおちのところ
キューンと刺激され、涙が次々と止まらなくなりました。
このお話はその美しさゆえに、心中の手本とみなされて、長い間詠う事を
禁じられてきた本だそうです。愛を凍結するために命を捨てていく
恋人たちの物語と、歴史背景などの解説文が一冊の本になっています。
同じアジア人として、皆さんにも是非読んで頂きたい本です。
現在ROUROUの店頭にて販売しております。またサイトでも近々販売する予定です。
全国の書店でもお買い求め頂けますよ。
王 超鷹(おう ちょうよう)
1958年中国上海生まれ。上海工藝美術工業中学を卒業後、剪紙(切絵)や伝統絵画を中心に工藝職人としての道を歩み始める。76年、20歳で中国全国工藝美術展に入選。79年、工藝美術設計師となる。87年来日、武蔵野美術大学大学院修了(視角デザイン学)。
96年、『トンパ文字 生きているもう一つの象形文字』(マール社)で発表。日本における「トンパ文字ブーム」の先駆けとなった。
著書に『篆刻文字』(シリーズ全6巻、マール社)『日本現代広告術』(上海図書館)など多数。
字坊RED
「字坊」とは、芸術家であり文字研究家でもある王超鷹とともに、アジアの伝達手段である象形文字をモチーフに、人と人を結ぶコミュニケーションの可能性を探求するプロジェクト。日本/中国/オーストリアと、国籍を超えたメンバーたちが、美術、工芸、出版、服飾、音楽など様々な表現活動をすすめています。
http://home.att.ne.jp/lemon/jibo/
ROUROUも「字坊」の一員として、「たいせつ」にカタチを与えるプロジェクトを行なっています。