2005-09-09
ミケ物語 2
その三毛猫は最初はお店の前を通るだけで、ガラス越しにこっちをチラッと
見る程度でしたが、しばらくするとお店の裏の扉の方で小さく「ニャー」と鳴いて、
僕やMAKIを呼び出すようになりました。
ご飯をあげても、どこかでもらっているのか、あまりガツガツは食べません。
その代わり、ドアを開け外まで手を伸ばしなでてあげると、いつまでも喉を鳴らして
喜んでいました。
オープンしたばかりのお店は、毎日数えるほどのお客様しか来なく、
このまま仕事を続けていくことが出来るのか、毎日が不安でした。
作ったものが売れなければ、次に仕入れることができません。
また、季節を過ぎてしまったら、商品が不良在庫になってしまいます。
ネコをなでている間はそんな不安を少し忘れる事が出来ました。
しばらくなでていると気が済んだのか、また冬の寒空、どこかに帰って行きました。
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