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2015-10-27

15年を振り返って

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<株式会社ロウロウジャパンの登記簿謄本>




写真はROUROUの登記簿謄本の一部です。
事業内容の所は設立当初から変わっていません。
この事業目的の項目を見ても、設立前から服づくりだけでなく、
いろいろな事を夢を見て開業したのが分かります。
(まだまだ叶えられてない夢も多いですね)


この15年間いろいろな事がありました。
うまく行かない事、悔しい事、そして失敗の連続だったと言い換えてもいいかもしれません。
店舗を開店させる前から壁にぶつかりました。


まず、店探しで苦労しました。
中華街に縁もゆかりもない僕たちが、なんで中華街という土地を選んだかについて
何度か話した事があるので、既にご存知の方も多いかとおもいます。
「アジアのどこかにある、精神的にも文化的にも進化した国の商品を輸入する」という
コンセプトは開店前から決まっていました。


そのイメージに合う土地を探したら、それは中華街がピッタリ僕たちのイメージに
はまった訳なんですが、ほとんど華僑しかいないこの街で、お金もない、
経験も無い、そしてコネもない僕たちの店探しは中々大変でした。
(当然、当時は華僑に知り合いの一人もいない訳ですから)


鴻源閣


<現ROUROUが元々あった場所で営業していた鴻源閣さん。海老ワンタンの味が絶品でした>




まあ、なんとかお店を見つけ、商売を始める事ができてからも、
事業経験の浅さから資金繰りに行き詰まり、開業してからひと月後に
すぐに倒産しそうになった事は今となっては笑い話です (^_^;)


経験の無い僕たちは生地やパーツをどこで買ったら良いのかさえ
ほとんど知りませんでした。
取引先を探す為に、あちこちに電話をするたびに、開業した場所について
馬鹿にされて悔しい思いをしたものです。


「なんで都内じゃなくて横浜なの?しかもなんで中華街なの?」


口を揃えて訪ねられました。
1年半無休でがむしゃらに働いて、ようやく溜めた資金を元手に代官山に店を構えたのは
そうした悔しさによるものでした。


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<かつてのROUROU代官山店>




資金を使い果たした上に、代官山店が軌道に乗るまで相当時間がかかり、
ここでまた心が折れそうでした。


開店当初、すべての商品をオリジナルにする体力が無く、半分くらいはベトナムを
中心としたアジア各国からの買い付け品でした。
当時アジアブームだった事もあり、それらはそこそこうまく売れました。
ところが、店頭で商品を手に取ったお客さんに「〇〇では〇〇円で売ってたよ」
言われる事もしばしばありました。


そりゃそうです。コンテナで工場から直接大量に仕入れている大手と違い、
僕たちは市場の店先で数個ずつ買い付けて来ていたわけですから
価格で勝負になりません。


それが悔しくて、「ROUROUでしか売ってない、オリジナルデザインの商品だけを店頭に
並べよう」

少しずつオリジナル比率が増えて行きました。
そして「ROUROUらしさ」とはなんなのかについて、じっくり考えていきました。


モノ作りをするには、ある程度の規模感が必要なのもたしかです。
たった1-2店舗で売れる量はわずか。当時あらゆるアパレルメーカーが多店舗展開を
競い合っていた中で、限られた直営店しか持たない僕たちは、作る量も限られていて、
生地メーカーや縫製工場からも足元を見られる事も多く、悔し涙を飲みました。


品揃えのセレクトショップとの差別化をしようと、お客さんを招き、
自前で2000人収容可能なホールを借りてファッションショーを開催したりもしました。
(毎回随分お金使ったなぁ…トホホ)


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<大桟橋ホールでのファッションショー>




それでも知名度はそれほど上がりませんでした。
それでは、もっと有名になってやろう、と東コレにも参加しました。
パリの展示会にも出しました。
原宿や新宿も出店しました。上海にも店を出しました。


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<懐かしい原宿店。徹底的に遊ぼう!という事で「play room」という店名にしました>




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<上海店。毎日トラブルやハプニングがあり、毎晩遅くまでスタッフとskypeしてました>




そして今ではまた開業したばかりのように1店舗を残すのみになってしまいました。
まるで小説・杜子春のようです。


こうして15年を振り返ってみると、もう失敗の連続です。


でも、いつでもそばには支えてくれるスタッフや、助けてくれる取引先、そして僕たちの
作った商品を買い続けてくれたお客様がいました。
横浜では助言をしてくれたり、味方をしてくれる仲間や先輩たちにも恵まれました。


15年前とは全然違います!!


「旅するROUROU」と称し、全国を回りますが、日本全国どこに行っても
たくさんのロウラーさん達が温かく出迎えてくれます。
たった1店舗しかないブランドが、単独でイベントをやって成立するのって、
当たり前のことではありません。

顧客の多さに百貨店の方にも驚かれるほどです。


ドラマの衣装を丸ごと担当させてもらったり、ホテルの全セクションの制服数千着分を
をデザインさせていただくなんて、創業当初は考えてもみませんでした。

本当にありがたいことです。


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<NHKの連続ドラマ「上海タイフーン」。主人公がファッションブランドを上海で立ち上げるという事で、衣装だけでなく台本からお手伝いさせていただきました>




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<ローズホテルさんの制服リニューアルに際しては11セクションすべてのユニフォームをデザインさせていただきました>




僕たちは成功こそしてません。
でもつまずいたり転んだり、失敗を繰り返しながらも、たくさんの方たちに支えられ、
どうにかここまで
歩き続けて来る事ができました。
その事をとても誇りに思っています。
そして、それはとても幸せなことだと思っています。


話は変わりますが、これから起業しようとする人に「ビジネスの成功に必要な事は
なんですか?」と尋ねられることがあります。
まだ成功すらしてない僕に質問をすること自体、まず間違えています。(^_^;)


でも、もしその質問に対して考えるとき僕は、本当に必要なものは
「覚悟」
だと思っています。
それは結婚と一緒だとも思っています。


この人(事業)のためなら、全てを失っても構わないという覚悟。
この人(事業)に自分の全てを賭けるという覚悟。
この人(事業)を守り抜くという覚悟。



カッコ良くなくたっていい、とにかく泥まみれになっても大切なモノを守る事さえ
出来れば良いんです。


結婚や事業経営には、お金や経験、コネも必要かもしれませんし、
それらはもちろん無いよりはあった方が良いに違いありません。
でも、本当に必要なモノは「覚悟」なんじゃないかと思んです。
少なくとも僕にとってはそうでした。


これからまた20年、30年と、つまずきながらも時を重ね、この先もみなさんと共に
歩き続ける事ができたらいいなーと思います。


言い訳のようですが、数々の失敗があったからこそ、今のROUROUがあるんだと思います。


今年のファッションショーもこれまでと同じように魂を込めて、企画チームが商品を作ります。
毎回そうですが、今回も「これまでとは違う新しい何か」を取り入れたいと思っています。


どうぞ僕たちの「覚悟」を見に足を運んでください。


また、15周年に際し、みなさんからのROUROUの思い出を募集しています。
ぜひ、あなたにとってのとっておきの写真をエピソードと共にお聞かせください。
https://blog.rourou.com/news/event/25223/


そしてこれからも、ROUROUをどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m