紫物語
今日は「色」についての話をしようと思います。
ROUROUには、ブランドカラーがあります。
このブログのタイトルにもなっている「紫」がそれです。
僕たちは意識的に紫を服の色やプリントに入れるようにしています。
もちろんそうでない商品もありますが、紫はROUROUにとって
特別な色です。
たぶん、このことについてはみなさんにまだ話した事が
無かったと思います。
でも、オープン当初からずっと紫は使い続けてきましたし、
実際にはROUROUについてあれこれプランを練っている
10年以上前からから、紫がブランドカラーになる事は決まっていました。
僕たちはブランドコンセプトを決める時に、海の向こうの
朧朧国(ろうろうこく)について、いろいろ妄想しました。
普通は服作りをする場合、自分たちがこれから作る服を
たとえば、「トラッド系」とか「モード系」とか「ギャル系」、
あるいは「アメカジ系」とか「マリーン系」などにカテゴライズして、
服作りを進めて行くと思うんです。
でも、僕たちの作業は全く違いました。
服のデザインよりも先に、彼らは何を食べ、どういう
音楽を聴き、どういう芸術を好み、どういう環境で生活して
いるんだろうか…などなどいろいろと考え行ったわけです。
きっと蓮の花が国花なんだろうな…とか、たぶん小さな国だろうけど、
お茶目な王様やオシャレなお姫様がいる国なんだんだろうな…とか、
考えていきました。
その上でブランドカラーについても考えました。
なぜそれが紫かと言えば、蓮の花の咲く時刻の空の色だからです。
蓮の花が開く、太陽が昇る寸前の朧朧(ろうろう)の時刻、東の空は
美しい紫色になります。
それは夜の闇と昼の赤が出合う瞬間です。
その背景をバッグに、薄桃色の蓮の花はつぼみを開きます。
枕草子の冒頭にも、
「少し明りてむらさきだちたる雲の細くたなびきたる」
という箇所がありますよね?
景色を想像できるすごくキレイな表現ですよね。
朝焼けのぼんやりかすんだ様子を現す、朧朧(ROUROU)という名前
を持つ国はきっと、その時間に咲く花だけでなく、その空の色も
特別な色として大切にしていたんだろうなーって、思ったわけです。
紫を身につけることで、朧朧(ろうろう)の時刻の持つ、
「新しいことが始まる予感」みたいなパワーも身につけて
もらえたらいいなと思っています。
ボクが徹夜明けに良く見る、朧朧の時刻の元町の風景▼