
服に興味がなかった僕がファッション経営者になった理由
まさか、服や着るものにあまり関心がなかった僕が、ファッションの仕事に携わるなんて、昔の自分には想像もできませんでした。
小さい頃の夢は、「社長になる」ことでした。幼稚園の頃、仲の良かった友達の家がとても裕福で、「パパ何やってるの?」と聞いたら、「シャチョー」と答えたんです。そのとき、「『社長』ってすごい!」と子ども心に強く印象に残りました。それが僕の最初の夢のきっかけだったのかもしれません。
今、風が吹けば飛んでいってしまいそうな小さな会社ではありますが、一応「社長」にはなれたので、ある意味で幼い頃の夢が叶ったと言えるかもしれません。ただ、具体的に経営者を目指したのは、実は消極的な理由からでした。というのも、従兄弟たちが天才や秀才ばかりで、オセロでもトランプでも将棋でもまったく敵いませんでした。ボール遊びや木登りでは僕の方が得意だったものの、勉強では歯が立たず、「このまま大人になったら、大きな組織の中で彼らの下で働くしかない」と幼いながらに悟ったんです。それで、「自分で社長になるしかない」と思ったのです。
とはいえ、まさかファッション業界で独立するとは夢にも思いませんでした。
僕が今のファッションの仕事を何となく選ぶようになったのは、幼少期にシンガポールで育った影響が大きいと感じています。海外で生活すると、日本に住んでいるだけでは気づかなかった日本の魅力が見えてきます。同時に、日本だけにいると気づきにくい、アジア人特有の美意識や価値観にも目を開かされました。そうした経験が、僕の視点やファッションへのアプローチに深く影響を与えていると思います。
このあたりの話は、こちらのページでも詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。
ファッションとかブランドって、いったい何なんだろう?とよく考えます。
「ROUROU」の服を、みなさんはなぜ選んでくださるのでしょうか?
今回の春夏受注会でも、そんなことを思いながら準備を進めています。
みなさんにとって、「服」って何ですか?
(次回・後半に続きます)