
少数民族の伝統衣装とROUROUの共通点:服を通じた絆
前回は、僕がなぜファッションで独立することになったのかについてお話ししました。
今回は、ROUROUの服が何なのか、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。
現代人にとって、身につけるものは単に寒さや暑さをしのぐだけのものじゃないですよね。
「服なんてなんでもいい」と思っている人でさえ、買うときには何かしらの選択の意思が働いているはずです。
特定のブランドが好きなら、そのブランドだと分かる服を選ぶかもしれないし、モノグラム柄で一目で分かるケースもあるでしょう。
ファストファッションの場合だと、特定のブランドのロゴを外しても、デザインや機能が似ているものが多いのかもしれません。
でも、ROUROUの服って、きっとどこにもロゴの刺繍やワッペンがなくても、ROUROUだと分かる服が多い気がするんですよね。
駅や海外、ライブ会場などで、「それ、ROUROUですよね?」と声をかけられたという話を、お客さんからよく聞きます。
分からない人には分からないかもしれないけど、分かる人には分かる。そんな感じなのかもしれません。
服には、着る人の心を映し、その人らしい価値観を表現する力があるんだと僕は思います。
辺境に住む少数民族の中には、伝統的な柄や刺繍があって、それぞれに魔除け、祈り、願い、などの意味が込められてるもの多いんだそうです。それでけでなく自分たちは〇〇族だとすぐ見てわかるように仲間との絆を表しています。
例えば、中国の雲南省に住むミャオ族の美しい刺繍の衣装や、ラオスのモン族が大切に守り続ける色鮮やかな織物。
これらは単なる布じゃないと思うんですよね。
そこには、自然と共にある暮らしや、家族や仲間との絆を大切にする気持ち、歴史を次世代につなげたいという想いが詰まっているんだと思います。
ROUROUの服も、そういう存在であったらいいなと考えています。
ご存知の通り、ROUROUのデザインには、アジア文化や自然からインスピレーションを受けたモチーフがたくさん登場します。
花や鳥、雲といった自然の要素を、現代的なシルエットに落とし込んでい来ます。
そうやって作られた服を着た人たちが、「あ、この感覚、どこかで知ってる」と感じてくれたら嬉しいなって思ってます。
たとえ住む場所が違っても、同じような感性や価値観を持った人たちが、ROUROUの服を通じてつながっていく。お互い知らない同士でも、「あ、ROUROUだ!」と気づいた瞬間、笑顔がこぼれて、初対面でも声を掛け合って話が弾む。
なぜなら、ROUROUを選ぶ人たちには、どこか似た感性があるからなんだと思います。
少数民族の伝統衣装にも似たことがありますよね。
たとえば、遠く離れた村々に暮らす同じ民族の人たちが、お祭りで伝統衣装を着て集まったとき。
これまで一度も会ったことがない人同士でも、同じ模様や色の衣装を見れば、「ああ、私たちは仲間だ」と感じる瞬間があるはずです。
言葉がなくても、衣装によってその絆を教えてくれるまずです。
ROUROUの服にも、そんな力が宿ればいいなって思っています。
少数民族の伝統衣装がその民族の絆を強めるように、ROUROUの服もまた、僕たちと皆さんをつなぐ大切な糸でありたい。
そして、その糸が世界中に広がって、知らない同士でもROUROUを通じて繋がり仲間意識を感じられるような、そんなブランドに育てていきたいです。これからも、自然と共にある暮らしや、着ることでホッとするような服を届けていきます。
ROUROUを着てくれる皆さんが、どこかで「仲間」と感じられる瞬間がもっと増えますように。
そして、世界が少しでも平和で温かい場所になりますように。