
“裏勝り”というROUROUらしい美意識
今回の受注会も大変ご好評いただいています。
今季のテーマ「粋微(すいび)」の面白いところは、なんといっても“裏勝り(うらまさり)”なんじゃないでしょうか。
表よりも裏が勝っている――なんともROUROUらしい贅沢感です。
江戸時代の町人たちは、表は藍染の地味な木綿でも、裏には豪華な友禅を仕立てて、自分だけの楽しみとしていたそうです。
そんな粋な文化のように、ROUROUも“見えないところの美しさ”を大切にしています。
「裏地にそんな派手な柄を入れるの?」って、工場の担当者にも何度も聞かれました。
普通は裏は無地で落ち着かせるものですからね。
よほど珍しいことだったのかもしれません。
ところで、ROUROUではすっかりおなじみになっている「受注会」
これこそ、実は目立たないけど ROUROUらしい「裏まさり」な取り組みなんです。
実はこれ、BtoCのアパレル業界ではけっこう珍しいことなんです。
以前も書いたかもしれませんが、一般的なアパレル会社は、まず大量にお洋服を作ります。
そして途中でセールをして、残った分をさらに値下げしてセールをして……
それでも残った分、どうなるかご存知ですか?
そう、捨ててしまうんです。
しかも捨てるにもお金がかかるので、中には自社で焼却炉を持っている会社もあるほど。
世界では年間で約1億トン、日本だけでも年間約50万トンの衣類が廃棄されています。
環境意識が高まっているはずなのに、現実は年々増え続けているんですね。
いいとか悪いとかの話ではなく、単純に「もったいないな」と思いませんか。
ROUROUでは、ほとんどお洋服を捨てることがありません。
考え方を逆転させたんです。
つまり――
先に受注会でみなさんに欲しい商品をオーダーしてもらってから作る。
そうすれば、必要以上に作ることがなく、結果的にほとんど廃棄も出ないんです。
でも、受注会でその場で持って帰れないお客さまには、予約をしてくださったお礼として割引をしています。
いわば、“先にセールをやっちゃう”わけですね。
それでももし売れ残った場合には、そのときに改めて顧客向けのセールを行います。
そこでほとんど売り切ってしまいます。
それでもまだ少し余っているものがあれば、そのときは「福袋」に入れて、また誰かに喜んでもらえる形にしています。
だから、ROUROUではほとんど“捨てる服”というものが存在しません。
単純なことですがこれが一番、環境にやさしい方法なんじゃないかなと思っています。
他の企業も、みんなこうすればいいのに……なんて思ったりします。
皆さんもご存じの通り、ROUROUはSDGsなんて言葉ができるずっと前から、このやり方を続けています。
もちろん、この方法にもひとつだけ問題があります。
それは――ものすごく売れるタイミングが来てたりアイテムがあっても、“売り逃がす”ことがあるということ。
また、いわゆる“爆発的に売れるセール”というものもありません。
聞いた話だと年間の売り上げのうちセールが半分という企業もあるんだそうです。
だから、企業としての売上だけを見れば、ROUROUのやり方右肩上がりというわけにはいきません。
でも、それでもいいかなって思っています。
だって、思いを込めて作った商品ですから。
絶対に、捨てたり、燃やしたりなんてしたくありません。
それどころか、B品(訳あり商品)やサンプル品ですら「お宝市」で販売しちゃいます。
さらに、服を作った後に出る残布(ざんぷ)まで、工場に送り返してもらって、シュシュやポーチ、ヘアバンドなどの小物に生まれ変わらせています。
こうして“ROUROUのお洋服”は、どんな形でも最後までちゃんと生かされています。
だから、ほんとうに捨てるものがないんです。
そして、そんな受注会の商品を実際に手に取って見ていただける機会が――
いよいよ今週末から始まる「旅するROUROU 京都」のみとなりました。
関西方面の皆さま、ぜひ足を伸ばして遊びにいらしてください。
また、通販の受注受付は 19日まで です。
ぜひ「粋微」で“裏まさり”のROUROUアイテムをゲットしてくださいね。
P.S.
写真はROUROU cafeの階段です。
余ったテキスタイルたちはカフェのインテリアの一部として使い、活かして(生かして)います。