深い。広いだけじゃなくて深い。~広島日記その2~
ちょっと間があいて、今更感が漂っていますが…広島日記続けます!
前回 「その1」 はこちら
たった2泊の広島滞在。
催事を終えた2日めは、「一楽旅館」さんに泊まろうと決めました。
勝手に決めました。
もともと遊郭として使われていたという建物ということで(とはいえ奥の半分ですが)
外観からムード満点。
催事の撤収作業で遅くなってしまったため、
直接オーナーの携帯とやり取り…(笑)
「あれっ、まどかさんって下の名前か!苗字じゃないんだ!
入っててください、今すぐ行きまーす!」
!?!?
…不思議に思いつつ扉を開けると
フレンドリィー(笑)
いきなりホッコリさせられつつ、
オーナー到着まで、しばし中を拝見することにしました。
玄関を入ると、そこにはすぐ中庭が。
水のせせらぐ音と、鯉の成す波紋が雅。
客室のある2階にあがって、まず目に入るのがこの風景。
ハートのような曲線を描く、華奢な手すりの雰囲気が、これまた!
下をのぞくと、先ほどの中庭。
ちなみにここまでの写真は、翌朝に撮ったもので、
実際チェックインした時は、ほぼ真っ暗でした。それもそれで
お化けが出…幻想的な風景でしたが…
ということで、夜にかろうじて撮影できた部分を少し!
後に 「こういう土壁をくりぬいて装飾するっていうのは、昭和の職人技ですね」
と教えてもらった、扇子やヒョウタン。帆船(宝船?)もありました。粋!
お風呂まで続く階段。手すりの部分は、何千人??とさすったからでしょうか、
丸~くトゲがない感じで、こなれた風合いがありました。
さて、ここまでくれば気になるのは、お部屋でしょう。そうでしょう。
先ほどの吹き抜けを挟んで両サイドに、桜や桐やバラなど、
植物にちなんだ名のお部屋が並んでいます。
私のお邪魔するのは「松の間」です。
か、紙ぃ…!柱に直で紙貼りぃ…!
格子扉と足元には、お部屋それぞれの模様が。涙がにじむほどレトロ。
広さは6畳。
泊まるだけなら問題なく、こじんまりしていて気に入りました♪
畳の香りと、電気の下に垂れている長いヒモが懐かしい…
寝ながら電気消せるのね…
と、ここでオーナー登場!!
なんと本業は「ソフトウェア開発会社の社長」。
高齢のお母様のために、昔ながらのこの建物はまだ残そう、
それなら宿の商売続けていこう…ということで、今もこうして旅館を営まれているとか。
私がイヤにワクワクしながらお話を伺う姿を見て、察してくださったのか、
館内の様子や歴史なども、たくさん教えてくれました♪
部屋のある建物(外観の写真部分)は、
昭和33年に売春防止法が施行された後の建て増しであること。
つまりは遊郭として機能していたわけでなく、
「いわゆる連れ込み宿…現代のラブホですな」
その後、高度経済成長にともなって建築ラッシュに。
働き盛りの男性たちの宿として活躍していました。
今では、安く泊まりたいビジネスマン、海外からのお客様、
または私のような建物そのものに興味がある人たちなどなど
いろんな用途で使われているんだそうです。
「ここから、廊下の色が変わるでしょう?この先は、昭和25年に建てられた部分です。
もとはといえば遊郭、ですね。」
廊下を歩くと、等間隔で、同じようなお部屋がポツリポツリ。
「どうぞ、せっかくならお入りください。
この窓から女性が外を眺めて、男性にご挨拶していたんですよ。」
「今でこそ駐車場や住宅街になっているけど、その当時はみんなこうだった。
(実際、この近辺には同じような窓を持っている古い建物が多い)
だから自然とまわりに、安くておいしいお店も増えていったんですよねぇ。賑わっていたな。
道が入りくんでる?そうでしょう。
男性がゆっくり歩くように、わざと迷路みたいになってる。
自分が小さな頃は、この建物というか商売が、気恥ずかしくて。
この年になったら何でもないけどねぇ(笑)
今はもう、この地域では木造は建てられないんですよ。
だから、こういった建物は残されているものがすべて。
壊すのも…なんだかね。こういった文化があったことを伝えていくのもいい。
こうしてわざわざ訪ねてくれる人がいるかぎり…。」
「まぁ今日はお1人様ですから、自由に使ってください!
チェックアウトも…まぁうちはあってないようですから、ごゆっくり!」
はい………………はい?
ということで気さくなオーナーとの会話を楽しんだ後は、
「24時間、空いてればいつでも使っていいよー」というお風呂をお借りし、就寝。
ちなみにお風呂とトイレは別ですが、そこだけはきれいに改装されていて、
(そのギャップがまたすごい)快適に過ごすことができましたよ♪
深夜は豪雨&雷で、また1人ぼっちということもあり、
怖くて寝付けませんでしたが…(ビビリ)
そんなこんなであっという間の1泊。
翌朝もじっくり雰囲気を味わって、オーナーにご挨拶をし、チェックアウトしました。
今こうして日記を書きながら振り返ってみても、いいお宿だったなーと思います。
「気になる」と少しでも感じた方には、私、激しくオススメいたしますよ!!
さて、あとはもう東京に戻るだけなんですが、
せっかく広島まで来たからには、どこかしらにお出かけしたいものです。
ところが、前日深夜からの豪雨豪雨豪雨。
広島駅までたどり着くのも、やっと。
本来なら、この日は大好きな競艇を観戦しに、宮島ボートに行く予定でした。
ちょうど「宮島MB大賞」というGⅡの大きなレースでしたし…
応援している選手も出ていて…
でもあまりの雨の激しさに、在来線が止まってしまっていて、結局行けず。。。
市電でも向かえたようなんですが、もしこれで行って戻れなくなったら
(しかもレースも途中で中止になったら!?)と考えたら、断念せざるを得ませんでした…
30分待った挙句、諦め、仕方なく駅をうろついていると
宮島ボートの看板が!!出走表もある!!
記念に1枚もらい、写真も。これで行った気になろう。
宮島に着いたら、お好み焼きを食べよう!と思っていたのですが
それもできなかったので、駅ビルの中にある「お好みストリート」のような場所でランチ♪
駅ビルかぁ…と期待していなかったのですが、まさかこんなに何店舗も
“屋台”のような雰囲気で出店しているとは思いませんでした。ちょっと感動!
おいしかったーおいしかったよ!!
最後の方はさらっと書いてしまいましたが、
そんなわけで、私の催事は終了いたしました。
窓から未練たらしく広島の街を眺め、
まだまだやり残したこと、食べ残したもの、たくさんたくさん残っているなぁと悶々としながら…
ですから、“次回”を必ず作りたいと思います!
本当にありがとう、広島!!!帰りはカフェラテもこぼさなかったよ!!!
★おまけ★
待っててくれたマグロ。
帰宅したら猛烈な歓迎を受けましたが、その喜びっぷりがかわいくて
カメラを取りだした途端に、(大きいカメラが怖いので)そっけない感じに。
ママやめてー(ゴロン)