思い出 by ノンタン
何度もお話していますが、私は子供の頃、中華街に住んで居ました。
学校には、中国の人、台湾の人、韓国の人、欧米の人、いろいろな国の人がいました。
その子がどこの国の人かなんて知らずに友達になって、後から国籍を知る事がほとんどでした。
だから友達の家に遊びに行くのが大好きで、少しの生活習慣の違いなどが、軽いカルチャーショック
だったり、日本人と同じだなーとか、知らない内に学んでいました。
特に思い出深い友人は、小学校5,6年生の頃同じクラスで、帰り道が一緒だった子です。
彼女の家は、やはり中華街の中にありました。
今でこそ新しいマンションがいっぱいの山下町ですが、当時は古い建物が多く、風情のある街でした。
彼女が住んでいたのは、そんな中の古い建物の一角の部屋でした。
アパートとかと言うわけではなく、本当に事務所などが入っているような建物だったと思います。
お母さんと2人で生活しているようでした。
お母さんは夜遅くまで働いていたようで、私はよく遅くまで一緒に遊んでいました。
そんな彼女はもの凄く性格が良くて、しかも頭が良く、クラスでは一番成績が良かったと思います。
子供ながらに裕福に暮らして居るようには見えませんでしたが、満たされている人という感じがしました。
何故かはすぐにわかりました。
彼女のお母さんが凄く出来た方だったのです。
彼女のお母さんは常々こう言っていました。
「私は財産をこの子に残してはあげられないけれど、勉強だけは教えられる。」
そうなんです。彼女のお母さんもやはり頭の良い人だったのです。
そして、一人でも立派に娘を育てると言う気合いと自信が、伝わって来ました。
私の友人もそんなお母さんを誇りに思っているようでした。
良い親子だなーと思いました。
世の中にはお金で得られない物があるんだなと、子供の私に教えてくれたのは彼女達だったのかも。